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本書の前書きで述べられているとおり、問題発見の重要性は「根本的に問題解決にはならない問題に経営資源を浪費してしまう事」を避けるということにあります。
ビジネスの現場においてはかなり重要なことで、問題の定義が間違っていると、大人数のビジネスマンが全力で取り組んだ結果も無駄に終わってしまう事になりかねません。そういった意味では、非常に学ぶ価値のある内容です。
問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」
「問題発見プロフェッショナル」の最初の第一章では問題とはなにか定義することから始まり、問題発見ができない4つの理由へと話が進みます。
この部分の内容はロジカルシンキングを学ぶ際の鉄板の本「考える技術・書く技術」よりも詳しく説明してくれていて非常に分かりやすいです。この章の考え方を知るだけでも非常に価値があると思います。
考える技術・書く技術については過去記事「論理的思考の基本を知るのにおすすめの本-考える技術・書く技術」にて紹介していますので、参考にしてみてください。
第2章では、定義した問題の解決方法を発見するための構想の方法などについて書かれています。
問題発見に際して多面的に過不足なく検討することができる方法です。
その後、第3章から第6章では、さまざまな切り口から問題を発見するためのフレームワーク(2次元分析・付加価値分析・ユーザリティ分析・ABC分析など)の簡単な使い方と説明が書かれています。
フレームワークを使えば問題が解決するわけではありませんが、解決するべき問題を見極めたり、またプレゼンテーションで相手に納得してもらうためには非常に役に立ちます。
問題発見と問題解決は、ある意味ではコインの裏表の関係にある。問題によっては正しく問題をとらえた段階で、即、解決策が導き出されるものもある。
(P6)
本書は問題発見の重要性と分かりやすい問題発見の方法が多くの図とチャートによって説明されているという点で非常に勉強になる本です。
また、ロジカルシンキングについては過去の記事「ロジカルシンキングを勉強するためのおすすめ本」でも書いていますので、参考にしてみてください。