This post is also available in: English-US (英語)
起業に関する本はたくさんありますが、僕の本棚の中に個人事業主(一人会社)として起業する場合には読む必要はないんじゃないか?っていうような内容の本がありましたので、紹介したいと思います。
逆に、リスクマネーつぎ込んでガンガン会社を大きくしていきたい...みたいな方にはおすすめです。
ちなみに、僕が考える個人事業(一人会社)として必要なことについては過去記事「事業の仕組み化:個人事業主として起業しようとする方への1つの提案」に書いていますので、参考にしてみてください。
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
経営コンサルタントの神田昌典氏が書いた、1人のサラリーマンが起業を決意し、起業アイデアから見込み客を見つけ、その会社が成長していく過程で起こる様々なストーリーを物語形式で綴った作品。
多くの場合、仕事で成功することと家庭で成功することとは別のトピックとして論じられる。
しかし、数千社の経営者との関わりを通して私が痛切に感じたのは、その両者が極めて密接に関わりあっているということだ。
参考引用:本書309P
会社の成長段階のストーリーと連動した家庭内で起こりうる問題も絡めた物語。
この本でよく引用されているのは「桃太郎理論」と呼ばれる、組織の中での役割を「桃太郎(起業家)」「イヌ(実務家)」「サル「(管理者)」「キジ(まとめ役)」の4つの役割に分けて、組織が成長していく過程を論じた内容です。
歴史は繰り返される―自分だけは大丈夫と思っていても、気をつけないと同じような問題が自分の身に起こる―そう気付かされます。
具体的な方法論は書かれてありませんので、本を読んで即試すみたいなことは期待できません。
逆に、本書に書かれている内容を、(組織が成長してきた時のために)マネジメントに応用したり組織運営の知恵として勉強するためなら、他に同じような本は見たことがないくらいピンポイントな話題です。
成功者の告白を読んで勉強になったこと―問題社員について
本書を読み、個人的に非常に勉強になったのは、284Pに書かれてある問題社員についての記述。
詳しくは本書を参照していただくとして、その記述が示唆となって考えたことをメモしておきます。
・場にはポジティブとネガティブの力場のようなものがあると仮定する
・場とは、コミュニティやチーム、家庭など人が集まる場所にできるもの
・誰かが強いポジティブになると、それを補完するように誰かはネガティブになる
・問題社員というのは、感受性が強くネガティブの力場の影響を受けやすい
・その結果問題社員は「問題社員」となってしまい、他の社員のスケープゴートとなる
・そして問題社員を退職させると、新たな「問題社員」が場の影響を受けて生まれる
経験則でなんとなく理解できますが、よく考えてみたらしっかりと対応しなければならない事です。組織が小規模であるほど、社員が一人退職した時の負担は大きいですから。
まとめ:
もし、あなたがスタートアップとして成長するベンチャー起業しようとする場合には非常に有用になる本かと思います。
逆に、あなたがこれから個人事業(一人会社)で起業しようと思ってる場合には、もっと別の、読んで即実行できる本を読むのをオススメします。
ピーター・ティール(Paypalとか創業した人)の事業で0から1を作る方法とかはおすすめです。過去記事でレビュー書いていますので参考にしてみてください。
ゼロ・トゥ・ワン by ピーター・ティール:要約とレビュー
ちなみに、会社の成長段階のストーリーと連動て起こり得る問題を避ける方法としては、
1.社長がこのような成長ドラマのシナリオを知っているかどうか(本書291P)
2.社長がまとめ役(先述の桃太郎理論で言うところのキジ役)になること(本書294P)
の2点が挙げられています。