フリーミアム戦略の事例が分かる本-フリー<無料>からお金を生みだす新戦略

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無料(フリー)を中心に提供されているビジネスモデルのことはフリーミアム戦略と呼ばれます。
フリーミアム戦略で提供されている製品・サービスが従来の業界や事業にどのような影響を与えているのか?また、フリーミアム戦略で形成されている経済はどのような特徴があるのか?などを色々なデータや情報を挙げながら詳細に説明してくれている非常に勉強になる本です。

フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略

著者は、ネット上での売れ筋商品以外の取り扱い方について紹介している「ロングテール効果」や3Dプリンターでのモノづくりを紹介している「MAKERS」などのベストセラーで知られるクリス・アンダーソンです。

最近はモノのインターネット(Internet of Things)など、インターネット上だけでなく、従来は製造業の範囲とされる分野にまでフリーミアム戦略が浸透してきました。
IT産業がさまざまな業界に普及していくにつれて、フリーミアム戦略も多くの業界で見られるようになってきています。
フリーミアム戦略の様々な事例は単に読み物としても面白いですが、既存の業界に新しいビジネスモデルを考えたりするのに参考になるのではないでしょうか。

コモディティ化した商品は安くなり、その価値はよそに移っていくということだ。石油産出国のように商品を売って大金を稼ぐことは今でも可能だが、最高の収益をあげるのは、頭脳によって付加価値がつけられたものだ。
(P74)

その他、ネット時代になって、無料で提供できる方法が増えたことにより、新しいフリーミアム戦略によるビジネスモデルが生まれた流れや事例の紹介などが続きます。

フリーミアム戦略に対する読者の疑問「フリーランチなんてものはない-経済学の教育をちゃんと受けた者は、本当に"タダ"のものなどないことを知っている(P286)」への著者の答えの部分など、けっこう細かい所まで書かれていますので、フリーミアム戦略について色々と考えたり調べたりする手間が省けることでもおすすめです。

また、本書の所々にコラムが掲載されており、フリーミアム戦略のビジネスモデルを応用した具体的な事例が紹介されています。
例えば「どうして航空料金がタダになるのか?」「どうして教科書がタダになるのか?」など、とても面白い内容になっています。

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