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経営学者で有名なピーター・ドラッカーが出版している複数の本の内容のうち、重要な部分をまとめた本です。ドラッカーが初めての人はエッセンシャル版から入るとお得感があると思います。
ドラッカーは現代の経営学やマネジメントの基礎を創った人で、組織とは?企業とは?マネジメントとは?などなど...曖昧な理解をしがちな内容に関して、しっかりとした説明が実践に役立つように説明されています。
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
個人的に思うドラッカーの魅力は、実践的で役に立つ内容を根本的に定義してくれている点にあると思います。
経営を考える時には、多くの要素が絡み合って曖昧な考えをしていまいがちですので、ドラッカーの著書は頭の中を整理するのに役立ちます。
企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。
(P16)
本書には明記されてませんが、マーケティングとイノベーションは、マネジメントを支える両輪であるという話があります。
マネジメントが車だとすると、マーケティングとイノベーションは車の両輪のようなイメージです。逆に言うと、マーケティングとイノベーションをハンドリングするのがマネジメントの役割となります。
販売とマーケティングは逆である―(中略)―
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
実際の現場で販売を不要にすることは非常に難しいですが、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」という言葉とその理由を知っていれば、目的とする理想の状態を作り出すのに役立ちます。
マーケティング活動を行わないと、販売活動によって顧客があまり欲しくないものを強引に売らざるを得ない経営になるという事も言えます。けっこう営業マン任せで強引に販売している会社は多いですが...
マーケティングの説明の他、イノベーションとは?人のマネジメントの方法は?マネージャーの仕事など、実務に役立つ内容がたくさんあり、経営の基本が勉強するのにおすすめです。