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人間の仕事がロボットに取って代わられる...と言われて久しいですが、最近のデザイン・物語(ストーリー)・共感などデザイン思考と呼ばれるようなビジネスの感性的なキーワードを説明してくれる本です。
世の中の動きがどう変わってきたかの復習や、これからどのような時代になっていくのかをまとめて学べる本としておすすめです。また、ロボットでなく人間にしかできない仕事を考えるのにも役立ちます。
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
最近は大手のコンサルティングファームがデザイン事務所を買収するなど、大手の会社がデザイン・物語(ストーリー)・共感などの方向に向かっていてビジネスの重要な部分として認識されるようになってきました。
また、Googleの自動運転カーやドローンなどに代表されるように、ロボットが人の仕事を奪うという記事などもよく目にするようになりました。
数年前まではあまり表面化して話題になりませんでしたが、ロボットが人の仕事を奪うと予想されるような時代に入って、どのようなスキルが必要とされているのかが具体的に説かれています。
一つは、「よその国、特に発展途上国にできること」は避ける。
二つ目は、「コンピューターやロボットにできること」は避ける。
三つ目に、「反復性のあること」も避ける。
(P11)
「よその国、特に発展途上国にできること」は避けるというのは、単価が安い海外にアウトソーシングと戦うことになるからです。コールセンターや部品の組み立てなどが代表的です。
「コンピューターやロボットにできること」は避けるというのは、言うまでもなく、人工知能や作業ロボットでできる事は仕事の単価が下がっていくからです。
「反復性のあること」を避けるのは、海外にアウトソーシングしやすいという点、コンピューターに仕事を奪われやすいという点が理由です。
そのような時代になった時に必要なスキルを「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」という言葉で表現して、6つの感性(センス)に分けて説明されています。
1.機能だけでなく「デザイン」
2.議論よりは「物語」
3.個別よりも「全体」
4.論理でなく「共感」
5.まじめだけでなく「遊び心」
6.モノよりも「生きがい」
6つの感性(センス)は、言葉だけ見ると感覚的なことなのでフワッとした印象を受けますが、本書ではかなり分かりやすく論理的な形で説明してくれています。
個人的に本書の一番良いと思う点は、この感覚的なことをビジネスの役に立つ形で説明している点だと思います。
デザイン思考など、感覚的なよく分からない内容を学ぶというのは難しい事ですが、世の中の流れが明らかに「感性的」な方向に向かっていますので、ぜひとも本書を読む事をおすすめします。