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大量に調べたであろう資料や事例から明らかになったティッピング・ポイント(アイデアや流行などが、急に広がり出す瞬間のことを指す)と呼ばれる、口コミが広がるキッカケ、流れポイントを詳細に説明した上で、口コミの3つの要因となる「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」という口コミの原則が説明されています。
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則（ソフトバンク文庫）
本書の面白い部分は「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」という3つの原則を、様々な具体例やデータの挙げて説明している部分です。
著者の本は、かなり多くの具体例やデータを調べ上げて、そこから見出される共通点などから原理原則を見つけることが特徴的です。
ビジネスに役立つ内容としては、口コミマーケティングに応用できるような口コミ事例がどのように起こって、どのように広がっていくか学ぶことができます。
また、事例の数がかなり多いので雑学も同時に身につきますし、ビジネス的に言うとケーススタディが豊富ですので教養としても面白いです。
流行のリベラルアーツって感じで、単に読み物としても楽しめるのではないでしょうか。
また、著者のマルコム・グラッドウェルは他にも「天才! 成功する人々の法則
「天才! 成功する人々の法則」は「誰でも、持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる」という「マタイ効果」、世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも一万時間の練習が必要だという「1万時間の法則」などを、豊富な様々なデータを基に成功する人(天才)の法則を解き明かそうとしている本です。
メディアなどで「マタイ効果」「1万時間の法則」を単純化して伝えている場合も多いと思いますが、本の中では「なぜそのような結論に至ったか？」というデータを基にした著者の考え方を追えるので非常に面白いです。
いずれの本の内容も未だにメディアで話題になったりすることが多く、本の内容を知っておくと内容がより深く楽しめるのではないかと思います。