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長期投資家で有名なウォーレン・バフェットが、彼の投資会社バークシャー・ハサウェイの株主へ当てた手紙を「コーポレート・ガバナンス」「コーポレート・ファイナンス」「合併・買収」などのテーマ別に分けてまとめられたものです。
ウォーレン・バフェットに関する本はたくさん出版されていますが、その中でも、本書の内容はウォーレン・バフェット氏本人が書いた内容で非常に価値がある内容です。
バフェットからの手紙 [第3版] (ウィザードブックシリーズ)
ウォーレン・バフェット氏の会社バークシャー・ハサウェイは、その株主も長期投資家が多いことで良く知られています。
その株主へ当てた手紙も長期投資に関わることで(投資会社バークシャー・ハサウェイの株主への手紙)、バークシャー・ハサウェイの投資の考え方や判断など、ファイナンスに関する非常に詳細な内容を分かりやすく丁寧に説明してくれています。おそらく、ファイナンスの具体例を勉強するのに最も良い題材の一つだと思います。
ウォーレン・バフェット氏本人の株式投資に対する考え方は、ベンジャミン・グレアムとフィッシャーに影響を受けています。
ベンジャミン・グレアムは「バリュー投資の父」と呼ばれる投資家で「安全域」と呼ばれる手法などでウォーレン・バフェットに影響を与えています。
ベンジャミン・グレアムの投資手法に関しては「新 賢明なる投資家 (上) ──割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法《改訂版――現代に合わせた注解付き》」という本が有名です。
その後、ベンジャミン・グレアムの投資手法に加えてフィッシャーの「成長株(グロース投資)」という概念を合わせて、現在の投資手法になったと言われています。本人曰く「グレアム85%、フィッシャー15%」の投資手法らしいです。
バリュー投資では割安の株を中心に投資を行いますが、グロース投資ではバリューが高くとも(割高株)将来の将来の成長性を見越した上で投資を行います。
本書は長期投資の良い手本であるウォーレンバフェットの投資判断を垣間見ることのできる良い本です。