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起業関連の本は色々とありますが、本書は会社の仕組みづくりについて勉強になる本です。
「一人で起業して自分が仕事の全てをこなす段階」、「忙しくなってきて人を雇う必要のある段階」、「自分がいなくても回る仕組みを作るための段階」までに辿り着くための方法が分かりやすく書かれています。
起業系の本にありがちな難しい言葉はほとんど出てこなくて、パイを焼いて売るお店を起業した"サラ"という架空の人物とのやり取りを通して経営の話が語られますので、軽く読むことができます。
はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術
本書の中で起業する多くの人は"職人タイプ"の人で、自分が仕事のすべてをこなす事に幸せを感じるタイプだと説明します。
しかし、経営すると自分の好きな仕事以外(マネジメント・経理・マーケティングなど)の割合が増えていき、好きで起業した仕事でも作業に追われて大変になってきます。
経営者自身が元気で利益が出ているうちは問題にならないのですが、仕事に疲れたり将来の事を考えたりする時に思い悩むことになります。
一人で全力で頑張っているのに利益ががでないという場合は、さらに苦しい心境に立たされます。
そのような状況を改善するために(もしくはそのような状況にならないために)、どのように起業して経営していったらよいのかを分かりやすく教えてくれる本です。
経営者がマネジメントや会計、マーケティング、現場の実務を知らないからといって、経営に失敗することはない。そんな知識は簡単に身につけられるものである。むしろ、失敗する経営者に共通しているのは、自身のもつ知識や情報を独占し、従業員と共有しようとしない姿勢であった。
(P14)
多くのスモールビジネスが失敗するのは、経営者の努力不足のせいではなく、努力の方法が間違っているからだと説きます。
非常に実務に即した内容になっていますので、できれば起業前に、既に起業していても将来会社を大きくしていくのに役立つ知識になるのは間違いないと思います。
また、事業の仕組み化については過去記事「事業の仕組み化:個人事業主として起業しようとする方への1つの提案」でも紹介していますので、参考にしてみてください。